横約187ミリ✕縦約254ミリ✕厚さ約27ミリ。重さ約374g。
寛永九年(1632年)に刊行された江戸初期の和書です。
周礼とは古代中国の儒教経典の一つで、理想の官制を記したものとされ、当時の日本人の教養本でした。
戦国熱が高じて戦国人が日常読んでいた和書が欲しいと、神田の古書店を巡りましたが、寛永以前の元和や慶長期の和書は、初版本は見つからず江戸中期以降の再版本でした。
「書体や内容は版木は同じだから変わりませんよ」と言う古書主さんに「いや、戦国時代の人が直接手に取って読んだ初版本が欲しいのです」と答えると奇妙な顔をされました。戦国コレクターを文献研究者か何と勘違いされたようですが、半年かけて入手しました。
本は虫食いはありますが、朱入れや付箋(ラスト写真)など大切に読まれたことが伝わります。
寛永九年はまだ伊達政宗は健在で、徳川秀忠は数年前に亡くなったばかりの、戦国の余燼冷めやらぬ時期です。雄渾な文字には戦国の風韻がこめられています。
戦国の生き残り人が手にした和本をお楽しみ下さい。